解説・考察『破局』(遠野遥)ー「つまらない」その隠された理由に迫るー

文学
はじめに ―“不穏さ”の正体は?―

遠野遥を一目見て、

「こりゃまたイケメンだこと」

といった間抜けな感想を持った。

2019年、彼が『改良』で文藝賞を受賞した時のことだった。

ちなみにこのとき、文藝賞を同時受賞した作家がもう一人いる。

宇佐見りんだ。

受賞作の『かか』を読んだときの衝撃は忘れられない。

『かか』に感動した僕は、同時受賞である遠野遥の『改良』をすぐに読んでみた。

が、正直、その良さが分からなかった。

「かか弁」という独自の文体を採用した(しかもそれを見事に成功させた)宇佐見りんとは対照的に、遠野遥の文体はあくまでも平易で、端的で、簡素なものだったからだ。

「うーん、なんだかつかみ所のない作家だなあ」

彼に対してそんな印象を持っていたが、まさか、その翌年に彼が芥川賞を取るとは思いもよらなかった。

2020年、第163回芥川賞受賞作『破局』

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平易で簡素で簡潔な文体は相変わらずだった。

が、この作品には、なぜか言葉にできない「不穏さ」が底流している。

読み進めるや、ゾクゾクとした感覚が強まっていき、作品を読み終えたとき、しばらく不思議な余韻に浸った。

ではその「不穏さ」は一体どこに根ざしているのだろう

その結論を言えば、

主人公「陽介」という人物造形だ、と僕は思う。

この記事では、そんな「陽介」という人物について解説をしつつ、作品が持つ「不穏さ」の正体を明らかにしたい。

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『破局』を“つまらない”という読者

解説に入るその前に『破局』の読者の声について、言及したいことがある。

僕は『破局』を読んだとき、上記の通り、しばらくは不思議な余韻に浸っていた。

そして、その余韻の正体を突き止めようと、もう一度ざっと物語を読み返してみた。

すると、色々な発見があって「なるほど!」と、膝を打つ思いだった。

「ちなみに、他の読者たちは、この作品をどう読んだのかな」

そう思ってネット検索してみると、僕は驚いてしまった。

作品を「酷評」する人が思いのほか多かったのだ。

彼らの声を乱暴に要約するならば、こんなところだろう。

文章がつたない、というかヘタ

人物造形が不自然、深みがない

物語に共感できない、つまらない

それらの感想に対して、僕はこう思う。

そりゃそうだよ、それが作者の狙いなんだから。

「稚拙」なのも「不自然」なのも「共感できない」のも遠野遥の意図した所なのだ。

彼はかなり意識的にこの「文体」や「人物造形」や「ストーリー」を採用している。

そしてその全てが見事奏功して「陽介」という不穏な人物を生み出しているといっていい。

主人公「陽介」のプロフィール

ここで早速「陽介」という主人公の簡単な紹介をしたい。

  • 都内の私立大学(おそらく慶應義塾大学)に通う4年生。
  • 高校時代からラグビーをしていて、鍛え抜かれた肉体を持っている。
  • 強すぎる性欲を持っていて、自慰やセックスに耽る日々を送っている。
  • 彼女には事欠かず、麻衣子や灯をはじめ、付き合った女性は数多い。
  • 現在は就職活動中で、公務員を志している

と、ここまで書くと、

「ほー、ラグビーとは。なんと精悍な」

と、思う人もいるかもしれないし、

「ほー、公務員とは。なんと堅実な」

と、思う人もいるかもしれないし、

「ほー、セックスとは。なんとお盛んな」

と、思う人もたまにはいるかもしれない。

ただ、上記のプロフィールというのは、あくまでも外面的なものにすぎない

『破局』は、陽介の“一人称(私)”による独白体で書かれている。

つまり、彼の“内面”というのが物語の中心を占めているワケだ

そして、彼の独白には言い様もない「不穏さ」がある。

ここで強調しておきたいのは、陽介の周囲は彼のその“不穏さ”に気づいていないと言うことだ。

それは、彼が“ある程度“まともっぽく振る舞えているからだといっていい。

だけど一方で、彼の内面は奇妙なほどに屈折している

そして僕たち「読者」は、そんな彼の内面をのぞき見ることができる、唯一の存在である。

ここに『破局』という作品の面白さがあると僕は思っている。

では、その陽介の「内面」とは、いかなるものなのだろう。

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考察「陽介」の“不穏な”内面

特徴① 共感力の欠如

陽介には「共感力」やというものが欠けている

ただ、読者がそれを読み取ることは、少し難しいかもしれない。

彼の「共感力のなさ」が、露骨に表現されている場面があまりないからだ。

描かれる1つ1つの場面は、

「あれ? この陽介って男、どこか変だぞ?」

と、ほんのりと違和感を覚える、そんな場面に過ぎない。

ただ、物語を読み進めていくと、そうした違和感が少しずつ、だけど確実に積み重なっていく。

そして、どこかのタイミングで、

「合わせ技、一本!」

的な感じで確信に変わる。

陽介の「共感力の欠如」は、そんな描かれかたをしているのだ。

たとえば、陽介が「佐々木」と談笑する場面がある。

佐々木は高校の教員で、陽介のかつての恩師でもある。

陽介の才能を買っている佐々木は、陽介を自分のチームの「コーチ」として迎え入れている。

練習後は陽介を自宅にまねき、焼き肉を振る舞ってくれる。

楽しそうに談笑する佐々木とその妻。

彼らが陽介に笑顔を向けてきたとき、陽介はこんなことを考える。

佐々木が歯を見せて笑った。あまり白くはない歯だった。佐々木の妻も笑っていた。佐々木の妻の歯は、佐々木よりもう少し黄ばんでいた。彼らくらいの歳になると、人間の歯は自然と黄ばみゆくのだろうか。そうだとしたら憂鬱なことだ。夕食のとき、子どもを持たないこのふたりはどんな話をするのだろう。(単行本P8より)

  • 「黄色い歯」
  • 「子のない夫婦」

陽介のこの思考は、明らかに場違いである。

そして、陽介には、佐々木たちの感情を受け止めようという姿勢がほとんどない。

引用箇所は作品の序盤なので、違和感さえ抱かない人も多いと思う。

だけど、こんな場面が、繰り返し繰り返し描かれていく。

その他の場面だと、陽介が麻衣子とのセックスについて考える場面が挙げられる。

麻衣子は陽介の彼女なのだが、ここで彼は、麻衣子に対するこんな「気遣い」を語っている。

私は麻衣子ともセックスをしたい。本当なら毎日したいけれど、

   (中略)

麻衣子がしたくないなら、無理にセックするすることはできない。無理にしようとすれば、それは強姦で、私は犯罪者としての裁きを受けるだろう。それに、私は麻衣子の彼氏だ。麻衣子の嫌がることはできない。(P36より)

この陽介の「気遣い」というのもやはり不自然だ。

どこか淡泊で無機質な印象を持つのは、彼の気遣いが「法律」とか「立場」といった文脈で語られるからなのだろう。

麻衣子を「大切にしよう」とか、「優しくしよう」とか、そういった「人間的な優しさ」は、彼の言葉から読み取ることはできない、

実際、陽介の「女性に対する態度」を知れる言葉がある。

陽介の父は早くにいなくなっている。

陽介には父との思い出はあまりないが、唯一父の言葉で覚えているものがあるらしい。

それは「女性に優しくしろ」というものだった。

ところが、陽介は、父の言葉を実感として理解できていない。

(父が)女性に優しくしろと、口癖のように言っていたのだけは良く覚えている。どうして女性に優しくしないといけないのかはわからないが、私は父の言いつけを守っていたかった。ああしろこうしろと言われたら煩わしく感じるかもしれないけれど、ひとつしか覚えていないのだから、せめてそれくらいは守っていたかった。(P33より)

実は、作中で陽介は、麻衣子や灯といった交際相手に対する「やさしい言葉」を頻繁に述べている。

ただ、この場面から分かる通り、それら彼の「やさしさ」に実感は伴っていないのだ。

それ以外にも「共感のなさ」を物語るエピソードは多数ある。

ラグビー練習で倒れ込む生徒達に、

「よし、もう1セットやろう」

といって、彼らを絶望させるのも(P114より)も、そんな彼らの「陰口」に無頓着であるのも(P118より)、陽介の共感能力のなさを物語っている。

一事が万事。

こんな感じで、陽介の「共感力のなさ」は、作品のいたる所で描かれている

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特徴② 不自然な論理と思考

『破局』は陽介の独白で描かれていることはすでに述べた。

ということで、必然的に、彼の論理や思考が頻繁に描かれることになるワケだが、これもまた何とも言えない「違和感」を読み手に与える。

ただし、

「いや、明らかにおかしいだろ!」

そう思える箇所というのは実は少ない。

さきほどの「共感能力のなさ」同様、

「あれ、この陽介っておとこ、どこか変だぞ?」

という記述を積み上げていくことで、

「合わせ技、一本!」

的な感じで読者に確信させるといった趣なのだ。

「不自然な論理や思考」

これもまた、作品の至るところにちりばめられている。

その中でも、多くの読者に「酷評」された原因となっているのが、このくだり。

私はもともと、セックスをするのが好きだ。なぜなら、セックスをすると気持ちがいいからだ。セックスほど気持ちのいいことは知らない。(P68より)

どうだろう、この「あほな高校生」が書いたような文章

「セックス」に関してもっともらしく説明しているわりに、その実、なんの説明にもなっていないではないか。

「セックスをするのが好きだ」と臆面もなく言った後、その理由が「セックスをすると気持ちがいいから」だなんて。

「なぜなら」と大げさな接続詞をつかってまで、わざわざ説明しなければならないことなのだろうか。

陽介の思考には、こんな感じの、

「え、いります、その説明?」

といった論理が本当に多い。

もちろん、ここに「作者は文才がない」と批判を加えるのは性急だ

なぜなら、作者は、物語を通して意識的に「不自然な思考」を陽介に語らせているからだ。

たとえば、陽介が、体調の悪い灯を気づかう場面。

トイレから帰ってくる灯の顔色が良かったので、彼はこんな風に思う。

戻ってきた彼女は、少し顔色がよくなったように見え、安心した。安心したと言うことはつまり、私は彼女の具合がよくなれば良いと願っていたのだ。(P26より)

この「つまり」以降の説明も、正直、まったく必要のない説明だといっていい。

ただ、これだけに留まらない。

その他にも、

口の中をよくすすいだ。だから食べ物はもう残っていないだろう。(P35より)

とか、

私は黙っていた。なぜなら、言うべきことが1つも思いつかなかったからだ。(P71より)

とか。

彼の論理や思考には、やはり一般的なそれとはチグハグな感じがあって、それが陽介という人物にある種の「拙さ」「不自然さ」を与えている。

ただ、繰り返すが、作者はこの「不自然さ」を敢えて陽介という人物に付与している。

おそらく多くの読者がいう、

「文章がつたない」とか「ヘタ」とか言うところは、彼のこの不自然な論理や思考に由来している

と、言って良い。

それは、先ほどの「共感能力の欠如」と同様、彼の「不穏さ」とか、もっと言ったら「異常さ」とか「社会通念の欠如」とか、いわば“異邦人っぷり”を演出するためだと思われる。

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特徴③ 肉体に対する執着

陽介の好物は“肉”だ。

それは佐々木の家に招かれて、彼がひたすら肉を食う場面に象徴されている。

そして彼の“肉”への志向というのは、大きく次の2つの方面でも説明できる。

  • ラグビー や 筋トレ
  • セックス や 自慰

この2つが物語の中心であることは、いまさら僕が言うまでもないことだろう。

まず陽介は徹底的に身体を改造し、強靱な肉体を保っている。

就活中とはいえ、その勉強の合間を縫って筋トレやランニングを欠かさない。

そして、佐々木に招かれる形で、高校生達にラグビーを教えているが、彼の肉体は高校生を遙かに凌駕している。

その一方で、陽介のセックスに対する執着というのもまた凄い。

『破局』には、とにかく性描写がふんだんにちりばめられている。

もはやルーティーンとなっている自慰行為や、麻衣子や灯との執拗な交渉。

たとえば、観覧車と見ながら自慰行為にふけったり(P40より)、下腹部が痛くなるまで一日中性行為にふけったり(P124より)する。

やはり陽介の肉欲もまた、常識とか社会通念から、どこが微妙にズレている。

ここに関しては、「不穏さ」に加えて、「非理性的」で「動物的」な印象を読者に与えているといえるだろう。

特徴④「公共」という行動原理

さて、ここまでの内容を一言でまとめるとすれば、

陽介 = 不穏な人物

という身も蓋もないものになるだろう。

さらに、僕はここえであえて言葉を選ばず、彼の本質を「異常」と断定したい。

こう聞くと、多くの人は思うかも知れない。

や、確かに陽介は変だけど、“異常”は言い過ぎなんじゃない?

うん。

まさに、そう、おっしゃるとおり。

物語を読み進めて、陽介は明らかに変なところが多いのだけれど、だけど、ギリギリまともっぽく見える節がある。

それはなぜかと言えば、

陽介は意図的に“まとも”を演じているからだ。

言い換えれば、彼は “まとも”にしがみついていると言って良い。

改めて彼の本質を確認すれば、

  • 「共感能力の欠如」
  • 「不自然な論理と思考」
  • 「肉体への執着」

これである。

この点において、彼は社会通念上「異常」だと言わざるを得ないのだけれど、ギリギリで彼が社会的な人間であり得るのには理由がある。

それは、彼が自分の「異常性」を認識している点だ。

物語を読み進めていくと、彼が「常識」とか「マナー」といったものに、不自然なほど敏感であることが読み取れる。

灯が未成年だったと思い出した。ひとりだけ酒を飲むのはマナーに反するので、私はアイスコーヒーを頼んだ。(P47より)

男女兼用のトイレで便座を上げたままにしていく男が、私は物心ついたころからずっと許せなかった。なぜならそれは、次に使用する人間のことを考えていない、身勝手でマナーに反する行為だからだ。(P49より)

こんな風に、陽介は「マナー」を守るということを、彼の行動原理に据えている。

そして「マナー」は、1つ次元を上げれば、それは「公共」とか「法律」というものになる。

(灯に)割れた腹筋も見せてやろうかと思ったが、私と灯は初対面で、ここは公共の場だった。(P31より)

酒が飲める店に連れて行くつもりだったけれど、ふと気づいて灯に年齢を聞くと十八だというからやめた。灯の体を思えば酒を飲ませるわけにはいかないし、何より法律で禁止されていた。(P30より)

こんな風に、彼は人一倍「公共」や「法律」というものに敏感になっている。

――「おおやけ」から見て、この言動はOKか――

陽介は常にその点検を怠らない。

そして、彼が「公務員」を志しているのも、まさにこの点にある

作中では、陽介が公務員を目指す理由は、特に明かされていない。

それをほのめかすように、友人の「膝」のこんな言葉がある。

そういえば、お前はどうして公務員になりたいんだっけな。今度聞かせろよ。(P112より)

なぜ陽介は「公務員」を目指しているのか。

記事をここまで読めば、その理由はすぐに分かっていただけると思う。

それは、陽介は“公”を行動原理にしているからだ

自らが社会不適合者であることを、ある程度認識している彼。

だけど、共感能力に乏しい彼は「人の心」を理解することが難しい。

彼が社会で生きていくためには、分かりやすい「行動原理」というものが、どうしても必要なのだ。

だからこそ、陽介は「公務員」にしがみついているのだと考えられる。

「おおやけ」を行動原理にすれば、“まとも”であり続けられると、陽介は信じているのだ。

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特徴⑤「他者の目」に敏感

これも「公共」への執着と根っこは同じ。

陽介は「他者の目」というのにも敏感だ。

そのことは「人間関係」においては、「公共」とか「立場」を重んじる姿勢として(不自然に)表れている。

ここで興味深いのは、彼が「動物」や「子ども」の目を気にする点だ。

この記述もまた作通に頻出するのだが、陽介は「ぬいぐるみ」の目まで気にしている。

チワワは四本の短い足をせわしなく動かしながら、前方の確認を怠り、私の顔をじっと見ていた。(P5より)

大きな鼠のぬいぐるみがやはり私を見ていて……(P6より)

その他にも、子どもだったり、猫だったり、カラスだったり……

「そこ、別に気にしなくて良くない?」

と、思われるほど「視線」を気にする陽介の姿は頻繁に描かれている。

この辺りは、陽介が人一倍「他者の目」を意識していることを暗示するものだろう。

繰り返すが、彼は自分自身が「異常」であることを、ある程度認識している。

だからこそ、彼は“まとも”であろうと、「他者の目」を必要以上に気にしているのだと考えられる。

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まとめ「異常/正常」の絶妙なバランス

以上、『破局』という作品がもつ「不穏さ」の原因について解説をしてきた。

この「不穏さ」を生み出している最大の理由は、「陽介」という人間の“異常さ”にあると言って良い。

彼の特徴として

  • 「共感能力の欠如」
  • 「不自然な思考や論理」
  • 「肉体への執着心」

というものが根本にある。

これらがもしも存分に発揮されてしまった場合、彼はまちがいなく「社会不適合者」となってしまう。

彼は、そのことを“理屈”で理解している。(が、実感として分かっていない)

だからこそ、彼は「正常」でいられる手段が必要だった

それが

  • 「公」という行動原理

である。

「公務員」を志しているのも、根っこは同じである。

他者の目、マナー、公共、法律……

それらを意識することで、彼はどうにか人々と同じような言動を取ることができる。

少なくとも、外面的には“まとも”を演じることができるのだ。

他者の目は、それでなんとかごまかせるだろう。

だけど、この小説は、彼の独白体で描かれている。

つまり、彼の“内面”描写が中心なのだ。

彼は、この語りにおいても、なんとか“まとも”を装うとしている。

だから、読者もなかなか彼の「異常さ」に気がつかない。

だけど、残念ながら陽介は、彼の「異常さ」を隠しきれてはいない

  • 共感能力のなさ
  • 不自然な論理
  • 異常な肉体改造
  • 強すぎる性欲
  • 公共への執着

語りの随所に、彼の「異常さ」は確実に顔を出している。

この作品が生み出す「不穏さ」というのは、この陽介という人間に見られる「異常/正常」の絶妙なバランス感に根ざしているのだろう。

そして、冒頭で紹介した多くの読者が批判する点、すなわち、

「文章がつたない、というかヘタ」

「人物造形が不自然、深みがない」

「物語に共感できない、つまらない」

というのも、すべては、陽介の「異常/正常」の絶妙なバランス感に由来している。

そもそも、彼の語りには「不自然な論理」があるのだ。

そもそも、彼の人格は彼によって「隠蔽」されているのだ。

そもそも、この小説世界は読者に「共感できない」ものなのだ。

それらの点をきちんと踏まえた上で、改めて『破局』を読み返してみてほしい。

この小説世界の「つたなさ」や「不自然さ」は、作者の力量不足によるものではない。

それらは、作者によって巧まれたものなのだ。

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