電撃小説大賞(ラノベ新人賞)の傾向と特徴を解説—作家志望の人は対策を—

読書・執筆
はじめに「ライトノベルの新人賞」

ライトノベルとは「エンタメ小説」のジャンルの1つだ。

「ライトノベルの定義」については、こちらの記事ライトノベルとは何か」その特徴や定義を簡単に解説を参考にしてほしいのだが、「ライトノベルって何?」という問いに対して超シンプルに答えるならば、

「主に若者をターゲットに、2次元的な世界を描く、超ライトな物語」

ということになるだろう。

そんなライトノベルを対象にした、公募の新人賞は数多くある。

これについても、詳しくはこちらの記事まとめ【ライトノベル新人賞】について解説を参考にしてほしいのだが、その中でも圧倒的な人気と実績をほこる唯一無二の新人賞がある。

それが電撃小説大賞である。

一般的に「新人賞」と呼ばれるものには、それぞれの賞の“色”というものがあるので、たとえば「ライトノベルを書いて、作品を応募してみたい!」という思いがある人は、各賞の傾向や特徴を把握しておく必要がある

ということで、「電撃小説大賞」(アスキー・メディアワークス文庫)について解説をしてみたい。

記事では主に「賞の概要」「賞の特徴と傾向」「代表的な受賞作」についてまとめていく。

また、最後に作品を書く上での「効果的な対策方法」と、その「おすすめサービス」について紹介するので、ぜひ参考にしていただければと思う。

参考までに、恥ずかしながら僕(執筆歴10年以上)の「出版経験」については(ぱっとしないけど)以下に挙げておく。

【 出版経験 】

・地方文学賞受賞
地方限定出版

・地方新聞文学賞受賞
→ 地方新聞に作品が掲載
kindleで自費出版

・某小説投稿サイトで優秀賞受賞
某アンソロジー企画に参加
大手出版社より出版

では、どうぞ、最後までお付き合いください。

概要をチェック

詳しい解説に入る前に、まずは賞の概要をチェックしておく。

電撃小説大賞のHPはこちら。

 出版社 KADOKAWA
 (アスキー・メディアワークス)
 賞金 300万(+記念品)
 枚数 42×34で80~130枚
 応募総数 4500編程度 
 倍率 約800~1000倍
 応募締め切り  4月初旬
 発表 10月上旬HPにて

また、各賞については以下の通り。

【電撃小説大賞の各賞】

大賞 – 正賞+副賞300万円、受賞作品にてデビュー

金賞 – 正賞+副賞100万円、受賞作品にてデビュー

銀賞 – 正賞+副賞50万円、受賞作品にてデビュー

メディアワークス文庫賞 – 正賞+副賞100万円、受賞作品にてデビュー

上記以外にも、年によって、選考委員奨励賞(正賞+副賞10万円 )や、電撃文庫MAGAZINE賞(正賞+副賞30万円)の選出がある。

特徴①人気実績№1

ライトノベルの新人賞の中では「電撃小説大賞」が人気・実績共に№1だと言っていい。

それを最も象徴するのが、応募総数の圧倒的な多さだろう。

最も多かったのは第20回(2012年)の6554作品であり、近年では4000~5000作品あたりで推移している。

また、上述した通り、本賞で当選するのは毎年5作品前後ということで、その倍率は実に1000倍

この競争率は、他のラノベ新人賞の追随を許さぬ勢いだ。

また、ラノベ新人賞の中でも歴史が長く、1994年の第1回以降、数多くの人気作家を生み出してきた。

  • 高畑京一郎(1994年)
  • 古橋秀之(1995年)
  • 上遠野浩平(1997年)
  • 阿智太郎(1997年)
  • 成田良悟(2002年)
  • 有川浩(2003年)
  • 川原礫(2008年)

もはやラノベ界では説明不要の『ソードアート・オンライン』シリーズで人気を博している川原礫や、ラノベの垣根を越え幅広いエンタメジャンルで活躍する有川浩をはじめ、そうそうたる面々が並ぶ。

以上のように、電撃小説大賞はラノベ新人賞の中で人気実績No.1、かつ、国内最大級の新人賞だといえる。

「将来、作家として生きていこう」

そうした強い志があるなら、ぜひともチャレンジしたい新人賞だ。

特徴②“バラエティ豊か”な受賞作

電撃小説大賞はジャンル問わず、いわゆる「ノンジャンル系」のラノベ新人賞であり、応募要項にも「ファンタジー、SF、ミステリー、恋愛、青春、ホラーほかジャンルを問いません」と明記されている。

他社の場合だと、「A社はファンタジー系」、「B社はSF系」といった具合に、いわゆる「売りジャンル」というものがあるようだが、電撃小説大賞にはそうした「特に好まれるジャンル」というのは存在していない

実際に、電撃小説大賞の過去の受賞作をさらってみると、ラノベの王道ジャンルである「ファンタジー」や「SF」は3~4割程度で、他の6~7割はそれ以外の「青春系」といった感じ。

ロボットを扱った作品、難病を扱った泣ける作品、剣道を扱ったスポーツ系の作品、異能力のバトル系の作品・・・・・・

過去の受賞作を眺めてみると、その豊かなバラエティに驚かされる。

また、人気作家の「住野よる」は、アマチュア時代に電撃小説大賞の過去作品を読んで対策をしていたそうだが、とあるインタビューの中で、

「電撃小説大賞のジャンルは、なんでもありって感じだった」

と語っている。

また、電撃文庫の某編集者はインタビューの中で、

「電撃文庫では、面白いものであればジャンル問わずに受賞させる」

と語っており、さらに、

「たとえそれが官能小説であっても、クオリティが高ければ十分評価の対象になる」

とまで言っていて(出典『作家になる技術』扶桑社文庫)、ここからも本賞の寛容さがうかがい知ることができる。

なお、電撃小説大賞のHP上に 電撃文庫の編集長の言葉が掲載されているが、それによれば、

「読者に好きになってもらえる、心に強い印象を残すキャラクターを作ってほしい」

ということで、本賞が掲げる「おもしろさ」の重要な要素として「魅力的なキャラクター」というのが上げられそうだ。

ちなみに、電撃文庫の読書層は老若男女幅広く、そのニーズもかなり多様化してきており、上記の傾向は、そうした読者の多様化に対応したものなのだろう。

さて、以上を踏まえると、大きく次の3つのことがいえる。

・電撃小説大賞はオールジャンルOK
・とにかく面白ければなんでもあり
・魅力的なキャラクター造形が求められている

特徴③徹底した選考プロセス

次に選考プロセスについて解説をしたい。

電撃小説大賞では、毎年、選考過程がHP上で発表される。

そこでの内容に加えて、『公募ガイド』、「インタビュー記事」、「各種ハウツー本」における電撃文庫の編集者の発言を踏まえると、およそ次のようにまとめることができる。

【 一次選考 】
・主に外部の下読みによる選考
・小説の体裁をなしているか、クオリティは一定の水準をクリアしているかを重点的に見る。
約500作品程度(全体の1割)まで絞り込む。
【 2次選考 】
・編集部員が加わり選考。
・1作品につき2~3人によるダブル(トリプル)チェック。
・面白さに加えて「売れるかどうか」を重点的に見る。
約250本程度まで絞り込む。
・ここで落選しても編集者から選評が送られる。
【 3・4次選考 】
・編集者を増員しての作品を読み込む。
・議論の上で60本程度最終候補作6作品程度を選ぶ。
・ここで落選しても編集者から選評が送られる。
【 最終選考 】
・作家、脚本家、編集長からなる「選考委員」による選考。
・選考は点数制をとらず、徹底的な話し合いによる。
・最終候補の中から大賞、金賞、銀賞、メディアワークス文庫賞、奨励賞などが選ばれる
・各賞「受賞者なし」があり得る。
・受賞の有無に関わらず、担当の編集者がつく。

以上のように、電撃小説大賞は、応募作品が徹底的に読み込まれるのが特徴だ。

応募者の心理としては、

「どうせ、あらすじだけしか読まれないんでしょ?」

「プロフィールや経歴だけで落とされるんでしょ?」

こうした疑惑や不安が否定できないと思うのだが、電撃小説大賞についていえば、それらはみな「杞憂」だといっていいだろう。

ちなみに、『作家になる技術』(扶桑社文庫)という書籍の中で、電撃小説大賞の担当編集者が、「あらすじだけで落とされることはあり得ない」と明言している。

それに、一次選考突破者全てに「選評」が贈られることも、応募作品がきちんと読まれている証拠だと考えていい

電撃小説大賞には4000~5000もの応募が集まるのも、そうした編集部の誠実さの表れなのかもしれない。

特徴④出版の間口が広い

電撃小説大賞の特徴として、「大賞受賞に至らなくても作家デビューできる」という点が挙げられる。

改めて、各賞を確認すると以下の通りだ。

  • 大賞 – 正賞+副賞300万円、受賞作品にてデビュー
  • 金賞 – 正賞+副賞100万円、受賞作品にてデビュー
  • 銀賞 – 正賞+副賞50万円、受賞作品にてデビュー
  • メディアワークス文庫賞 – 正賞+副賞100万円、受賞作品にてデビュー

ちなみに、本賞からデビューし、現在も第一線で活躍する作家たちのデビュー事情を一部紹介してみる。

  • 高畑京一郎(金賞でデビュー)
  • 古橋秀之(大賞でデビュー)
  • 上遠野浩平(大賞でデビュー)
  • 阿智太郎(銀賞でデビュー)
  • 成田良悟(金賞でデビュー)
  • 有川浩(大賞でデビュー)
  • 川原礫(大賞でデビュー)

こうしてみると、大賞だろうが、金賞だろうが、銀賞だろうが、その先の作家人生にはあまり関係がなく、大事なのは「作家として良質な作品を書き続けること」であることが分かるだろう。

それから、本賞の特徴として「受賞しなくても作家デビューできる」といった点が挙げられる。

たとえば、以下の作家たちは、本賞の受賞せずに作家デビューした面々である。

  • 秋山瑞人(選考外)
  • 時雨沢恵一(最終候補で落選)
  • 鎌池和馬(3次選考で落選)
  • 三上延(3次選考で落選)
  • 伏見つかさ(3次選考で落選)

最終選考のみならず、3次選考でデビューというのもすごいのだけど、驚くべきは秋山瑞人のように「選考外」からのデビューだ。

なんでも、応募期日に間に合わず、選考の土俵にも上がらなかった作品を、編集者が目をつけデビューに至ったという。

以上のように、電撃小説大賞は、応募総数こそ恐ろしく多いものの、実は作家デビューの間口を広く設けている、作家志望者にとって夢のある賞だといえる。

まとめ「作家性・経済性」が求められる

以上、電撃小説大賞の傾向と特徴として、以下の4点について解説・考察をしてきた。

  • 特徴①人気実績№1
  • 特徴②“バラエティ豊か”な受賞作
  • 特徴③徹底した選考プロセス
  • 特徴④出版の間口が広い

これらをさらに総合していえることは、

「電撃小説大賞は、作家性と経済性をかね備えた新人を探している」

ということだろう。

「作家性」とは「とにかくおもしろい作品」を量産できることであり、「経済性」とは「読者に刺さる“売れる”作品」を量産できることだ。

実は、この2つこそ「ラノベ作家」に強く求められる資質なのだと僕は考えている。

(詳しくはこちらの記事を参照「ライトノベルとは何か」その特徴や定義を簡単に解説

「ライトノベル」というジャンルは、とにかく読みやすく、すぐに読み終えることができる。

いわゆる“純文学”のように、読者は「手を止めて考える」といったことも、「後戻りしてじっくり読み直す」といったことも、基本的に必要ない。

読んでは次、読んでは次……といった具体に、作品の多くは高速で消費されていく運命にある。

だから、ライトノベル作家は作品を「量産」することが求められている。

ライトノベルの多くが「シリーズ化」しているのも、ライトノベルマーケットが急速に拡大している現状も、ライトノベルが持つこうした特徴と深く関係しているといえる。

こうした中で「ラノベ作家」として生き残っていくためには「いかに、おもしろく売れる作品を量産できるか」にかかっている

つまり、「作家性」と「経済性」とが、ラノベ作家には強く求められているのだ。

電撃小説大賞は、正真正銘、ラノベ新人賞の王様であり、国内最大級の文芸新人賞である。

ここを突破すること自体が並大抵にことではないわけだが、本当の戦いは、実は「受賞後」にあるのだろうと僕は感じている。

効果的に「対策」をするには

ライトノベルの新人賞への応募を検討している方は、その対策としてとにかく良質な「ラノベ作品を数多く読む必要がある。

こうした作品を分析することの大切さは、多くの選考委員や編集者が口をそろえて言っていることだ。

多くのライトノベルを読む意義は大きく次の2つ。

  • 近年の人気作の傾向を把握できること。
  • 過去の作品との類似を避けられること。

この2つは一見矛盾するようだけれど、どちらも大切なことだ。

需要のない作風や、あまりに読者を無視した作品は「門前払い」となってしまうし、過去の作品との類似は、その時点で「新人賞としてふさわしくない」とみなされてしまうからだ。

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